いてもたってもいられず

走ってきました

神谷浩史「Theater」感想っぽいもの

いやー、素晴らしい。彼の音楽活動については比較的フラットな、少し穿った目線で見ている私だが、このアルバムは手放しで褒めに褒めて褒めまくりたい作品だった。今まで力んで歌っていたキーでも適度に力を抜いた柔らかい、良い意味でこなれた歌い方になっている。私はこの力みが聴いていて居心地悪かったので、すごく聴きやすくなった。そして所謂「捨て曲」がない。アルバムの中で、聴く曲・聴かない曲と真っ二つに割れることはよくあるのだが、それがない。インタビューを読んだ影響もあってそれぞれのコンセプトや伝えたいことがはっきり感じ取れる。

中でも一番好きなのが「 Fiction Factor」だ。5月に録り終えていたらしいが、この歌詞をあの出来事の後に発表するというタイミング。総て嘘で、総てリアル。僕は僕、君は君。繋がりさえ望まなければ。突き放すような言葉が続き、後半で救われる。君の中に全部揃っているんだろ？心が動いたのなら、それは。もうなんだかぶわっと泣いてしまい、自分でもびっくりした。高い所に引っ張りあげてもらったような感覚。結局は受け取り方次第だ。あのコメントでも思ったが、ファンを信頼してるからこそ伝えてくれるのかもしれない。本当に丁寧に向き合う方だ。そういうところが誇らしく、たまらなく嬉しい。
あと演奏がとても良い。「意識の外に～」のドラムとか感想のギターソロとか生で聴いたらめっちゃかっこいいやつ。大サビの煽りもぞくぞくする。ああ、どうかライブで生バンドで披露してくれますように…。絶対1曲目だよなぁ。近未来感もあるから、レーザーばんばん打っちゃって、なんなら初音ミクやPerfumeばりに3Dホログラムの神谷さんが歌って、大サビでばーーんと本物神谷さんが登場したらすげえかっこよくないか？！それで「フィクションの定義が崩れ始めた」とか歌われたら失神してしまう。あまり好きな言い方ではないが、神谷さんの2.5次元感。どっちにも転べる人である。

「GRAVITATION」はぷっと吹き出してしまいそうなベタなラブソング。誤解を恐れずに言うと神谷さんがこの手の曲を歌う時の「わー全然思ってなさそう！」な感じがとても好きだ。芝居してます！みたいな。でもかわいらしく素敵にこなしてくれて、浩史とファンの利害関係が一致。ライブではとびきりロマンチックに、まさに星座か三日月のブランコに腰掛けて歌ってほしい。…うっDolce mistoの悪夢が…。あんな不安定な乗り物じゃないことを祈る。

不真面目なので（開き直る）初めて聴いた「Danger Heaven?」。想像していたよりもはるかに良かった。MVちら見して「なんかまた妙なことさせられてるなー」なんて敬遠していたのが勿体ない。何度もインタビュー等で語っているが、確かにハレプロジェクトとTheaterを繋げる曲だ。ハレのほうに入ってたら若干違和感があったかもしれない。芝居要素が入っているし。転調が心地良い。キラフェスではMV再現していたが、今回はどうだろうか。あまり同じ手を使いそうにないからなぁ。DGSでリハで痣が絶えないと言っていたが、イリュージョンとか突飛なことはしなくてもいいんだからねっ？

「 Q.E.D」も「影もまた真なり」も聴いていて楽しい。影もまた～の曲調からチャップリンを全然想像できないのは私だけか…？軽快でかわいらしいけどさ。かわいらしさと言ってることは結構薄暗くて、ギャップが面白い。それにしても本当に演奏が良いな。ライブ決定後の作品だから、なんとなくライブ再現を意識している気がする。それを踏まえた上でのチャップリンならばどうぞあの格好でステッキ持って踊ってください。髭はないほうが良いです！

「シアター」は間違いない。「Fiction Factor」がファンに対するアンサーなら、これは彼の声優人生のひとつのアンサーだろう。アニメは1クールの短いものもあれば、何年間も間隔を空けながら演じるものもある。何度も作り上げて壊して。10年近く第一線で活躍し続ける裏にどれだけの努力があるのだろう。そんなことをつい想像しながら聴くとたまらない気持ちになる。そして最後は「重ね合おう」だ。幕が閉じれば、再び幕が開く。希望の歌だ。んーたまらん。ライブでストリングス入れたりしないかなぁ。それでハレのち始まりの日とか最高だよね。号泣待ったなし。さっきも書いたけど、本当に、突飛なことするより生バンドとかストリングスとか音楽方面で豪華なことしてほしい。ストリングス！頼む！絶対にかっこいいから！

 

脳直でだだだっと書いたので雑にも程があるが、明朝の飛行機で東京へ行くためこれが限界である。とりあえずライブで聴く前に感じたことを書きたかったのだ。明後日ライブか。現実感なさすぎる。ドキドキ半分怖さ半分といったところか。それと台風が！台風の野郎が九州にお越しになるっぽくて日曜日帰れるか不安。くそー。私は前乗りするから大丈夫だが、土曜日の朝飛ぶ人もいるのではないだろうか。みんな無事に来れるといいね。さて、次はライブを観て何かが変わったであろう私が書き殴るのか楽しみだ。